Libera Vista

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英語上達マップによるイタリア語の学習書比較

英語上達マップを参考に、英語の学習書と比較しながらイタリア語の学習書選びに応用してみました。次はイタリア語検定でいうと準2級、現在B1レベルの中級の方には参考になるかもしれません。丁寧語は省略します。

1、文法 2、音読 3、瞬間英作文 4、読解

※使い方など実践後、随時、更新予定


1.文法

「イタリア語練習問題集 (語学の基本図書) 」

 英語の文法問題集に対応するのがコレ。「参考書+問題」ではなく、数少ない「問題集」。書き取りが必要な本格派。おそらく1番問題数が多い。文法事項をひと通り網羅しているが説明は簡潔。英語で仮定法にあたる接続法・条件法なども含まれている。難しいが、推定や婉曲の用法として会話でよく使う。

 ただし、初版が古く、文法用語の解説(属詞・補足語など)がないため、初心者や文法嫌いの人には向かない。イタリア語検定にも使えるが、全ての文法をカバーしているわけでもなく、語法や表現は体系的にはなっていない。

「イタリア語検定 ◯級突破 」

   

解説の良さでいうならばイタリア語検定の本の方がいい。問題も選択式で進めやすい。ただし、問題そのものをすぐに覚えてしまうこと、2級については1問ずつ問題と答えが一緒になっているので隠す手間の欠点がある。

 最近増えてはきているが、イタリア語の学習書はあくまで「入門」「会話」が中心。英語でいう中学2~3年から高校生レベルの「初級~中級」レベルのドリルが少ない。ないわけではないが、レイアウトが問題。「くもんの中学英文法」や「くわしい問題集英文法」のように暗記や問題演習のためのレイアウトが出てきて欲しいところ。

 

 また、中級以上の文法問題集として、大学受験の英文法の「Next Stage英文法・語法問題」などのように問題が豊富で、解説が見開きでされているのも出るといいのですが。桐原書店はやっぱりすごい、というか日本の大学受験産業の力はすごい。


2、音読

「 耳が喜ぶイタリア語 リスニング体得トレーニング」   音読パッケージはレイアウトに関係なくできるが、パッセージの長さが本屋で見てこれが一番似ていた。parte 1は短いパッセージのみで、 parte 3まで全部で50項だけ入っている。音読パッケージよりレベルの上がり方が急になっている。後半は聴いて理解するには語彙が少し難しそう。

 音読パッケージは語彙や文法のレベルが自分にあっているかどうかが重要。英語との違いは、イタリア語は発音がそこまで難しくないので、音読自体はすぐに完成してしまうということでしょうか。とは言っても、ニュース番組はとにかく喋るのが速くてなかなかマネできないです。


3、瞬間英作文

イタリア語会話55の鉄則表現 」 まず、同じ文型のフレーズを和訳・音読を繰り返すことで「文法の操作の感触」をつかむ。もっとこういう例文を使って「動詞の活用」などを練習するタイプの作文型の練習本があればいい。

 

NHKイタリア語 書ける!話せる!実用文例800」 CDが付いていないが、レイアウトはかなり英語の瞬間英作文に似ている。発音やリスニングを気にせずやるならかなり使える。

 

 

「口が覚えるイタリア語 スピーキング体得トレーニング」 さらにレベルを上げたのがコレ。会話2文でひとつのフレーズとしてまとまっていたりするので難易度はかなり上がる。活字が太くて見にくい。

 

キクタン イタリア語 【入門編】基本500語レベル」 ABC順で覚えにくいため単語集として使わない。CDもひとまず置いておく。例文が多いので伊作文のシャッフルの練習に使える。例文の訳がすぐ下に書かれているので、黒く消えて見えるマーカーなどが必要。

キクタン イタリア語【初級編】基本1000語レベル」 入門編同様。

 英語の瞬間英作文は「フレーズ暗記」と勘違いされやすいですが、イタリア語みたいに動詞の変化がたくさんある場合は「暗記」しただけではダメで、「文法の操作の感覚」の練習の必要性がわかると思います。

 


4.読解

 「 Easy Italian Reader w/CD-ROM 」 英語で書かれた本。洋書で紙質が軽くてオシャレ。日本語による伊語長文読解集に比べても、難易度としては一番これがよい。3章約60パッセージがあり2章ではイタリアの歴史などが楽しめる、当然和訳はないが確認問題がついている。CD-Romが付いているので音読でも利用可能かも。新しいバージョンは音声がウェブのみ聴くシステムになっているのでオススメしない。

「 Read and Think Italian with Audio CD 」  英語で書かれた本。上の本よりも少し難しめ。文構造・語彙ともに精読に良いレベルで、何よりパッセージが約100もあり量が多い。文章に加え、英語で単熟語・表現のヒントが横についている。イタリア文化についての説明文が多い。CDも一部のパッセージのみついている。

「Piazza : 東京大学イタリア語教材 」  書店にないので調査中。日本語なのに全訳がなく解説のみ。テーマが「ダンテ」など難しいものが多そう。和訳がないことを考えると、値段的にも、上記2つの方がよいと思われる。